「楽器店員の仕事って何するの?」
「給料はどのくらい?」
「ノルマはあるの?」
「キャリア形成は?」
新卒で楽器店で2年間正社員として働いていたしだーです。
店頭で販売員として働いていました。
楽器店員は少し特殊なので、実際に働いている人の話はなかなか聞けないのではないかと思います。(OB訪問など基本ないです。)
そこで新卒で2年間働いた僕が全てをぶっちゃけたいと思います!
Contents
楽器店員の仕事内容は?
大きく分けて4つあります。
- 販売・接客
- 発注・品出し
- イベント企画
- 音楽教室運営
順番にみていきましょう。
①販売・接客
これは想像しやすいですよね。
楽器店は小売業なので必須の業務です。
販売業務は楽器やその他周辺機材、楽譜などの販売。
接客では来店したお客さまの対応。
自分が好きな楽器を勧めるのは楽しいものです。
ですが、もちろん会社なので数字を作って利益を追求していかなければなりません。
②発注・品出し
楽器や機材、その他小物類の発注。そして物が届いたら品出しをします。
大きな店舗規模を持つ楽器店では担当商品が振り分けられます。
ギター担当、ベース担当、ドラム担当、電子ピアノ担当などですね。
例えばギター担当になれば、どんなギターを入荷するか自分で決めることができます。
ギター好きな人からするとワクワクする業務。
③イベント企画
「〜のセミナー開催!」とかよく見かけませんか?
こういったセミナーからライブイベントなど、イベントを企画するのも楽器店員の仕事です。
セミナーでは基本的にプロギタリストや講師を呼ぶので、ギャラや宿泊費などを計算して赤字にならないようにイベントを成功させる必要がでてきます。
またイベント一環で担当する楽器でのフェアなどもあります。
例えば代理店さんと協力して特定メーカーのギターを期間限定で大量に展示したりですね。
ただ店頭で接客しているだけではダメなのが楽器店員です。
④音楽教室運営
これは音楽教室を運営してる楽器店のみの業務なのですが…これがかなり大変です。
- どうしたら教室の会員が増えるか
- 先生と生徒のケア
- 会員を増やすためのイベント企画
- 教室の入会退会業務
- 月謝未払いの対応
など…業務内容が多岐にわたります。
これにプラスして①〜③の業務もあるので、かなり大変になります。
楽器店員の給料は?
ぶっちゃけてしまいますが低いです。
新卒の初任給は平均値ですが、そこからが本当に上がりません…(むしろ下がることも!)
ボーナスは販売した数字に左右されますが、多くの場合1月分でればいい方でした。
僕の年収は余裕で300万を切っておりました。
ではなぜ給料が低いのか?
原因は簡単で粗利率がどの商品もかなり低いのです。
粗利率10%とかザラでした。
なので余談ですが今はどこの楽器店も自社ブランドにかな〜〜り力を入れています。
給料は他業界と比べて良くはない。この点抑えておきましょう。
販売ノルマはあるの?
これは僕が働いていた楽器店でのことです。
ノルマは無いと言われて入社をしましたが、実質的にはありました。
どういうことかと言うと、売らないと給料が下がるよ?ということです。笑
定期的に給与査定があるのですが、そこで数字が悪いと基本給が下がります。
ずっと悪いと上限なく下がり続けます。(今考えてもあり得ない話なのですが)
そのためノルマという言葉は使わずに、目標金額がありました。
で、数字が悪いと店長やマネージャーから詰められます。
…これはノルマがあるということですよね。笑
全国展開している楽器店はどこもノルマがあると聞いています。
ですが、もしかしたらノルマが無い楽器店もあるかもしれませんのでご参考に。
身につくスキルは?
武器になるようなスキルは身につきづらいです。
販売ノルマがあって販売成績を上げたとしても営業経験ではなく、あくまで小売業としての経験としか見てもらえません。
(営業職で転職を考えていた僕はこの現実にショックを受けました。)
楽器に関する知識は深まりますが、正直わざわざ楽器店員にならなくてもネットで充分です。
しかし、店長やマネージャークラスになると数字の管理やマネジメントが必要になってくるので違ってくるかと思います。
キャリアアップは?
店長→兼任店長→エリアマネージャーというキャリアアップがありましたが・・・店長止まりの人がほとんどでした。
これは僕が退職してから今の今まで同じ状況です。
それもそのはず、店長以上のポストがなかなか空かないから必然的に店長止まりになってしまうのです。
店舗がたくさんあればその分店長さんがいます。
兼任店長やエリアマネージャーはそんなに人数がいるわけではないので、少ないイスを大勢で椅子取りゲーム状態になっているのです。
多くが店長止まりということをふまえておきましょう。
僕が思う楽器店員に向いている人
それは接客に抵抗がなく、楽器や機材のことか好きでたまらない人です。
たとえばピアノを見ているだけで楽しくてたまらない人。
ギターの新製品が気になってメーカーのHPをいつもチェックしている人。
そんな楽器や機材が好きな人に向いています。
必ず注意して欲しいのですが、音楽が好きだからという理由だけで楽器店へ就職するのは危険です。
楽器店はあくまで物を販売している「小売業」であって「音楽を楽しむ場所」ではないからです。
「バンドをやってるから」「小さな頃からピアノを弾いているから」
そういった理由から楽器店へ入社すると必ずギャップを感じるはず。
そして音楽が好きな人ほどやめておいた方がいいでしょう。
なぜなら多くの場合、世間が休みの土日祝日に働かなければならないからです。
バンドや吹奏楽団に参加して演奏活動するのは難しくなり、音楽を楽しむ機会は減ってしまいます。
余談ですが僕は今までずっとギターを弾いてバンド活動もしてきました。
なのでもちろん音楽が大好きです。
そしてその理由だけで楽器店への入社を決めてしまいました。
入社後は上記のようなギャップを感じながら仕事をする毎日。
これからバンド活動を始めるというお客さんにギターを販売して、「自分もバンドしたいな…」と羨ましい思いをしながら働いていました。
なので楽器や機材が好きでたまらない人。
そんな人が楽器店員に向いているといえます。
おわりに
僕は新卒で楽器店員になりました。
理由は「音楽が好きだから」。
それに1番最初に面接を受けて内定をもらったのがその楽器店だったというのもありました。
書いたとおり、「音楽が好きだから」という理由だけで楽器店員になるのはミスマッチです。
もっと考えて就活をすればよかったと非常に後悔しています。
そんな人を増やしたくないと思い、今回書いてみました。
楽器店員に興味がある方はぜひ参考にしていただけるとうれしいです。